【中級者向け】スペイン語の接続法(過去形)を使いこなす!接続法過去完了との使い分けも
スペイン語の接続法。その中でも、特に難しく感じられるのが、過去の出来事に対する感情や不確実性を表現する接続法過去と接続法過去完了の使い分けではないでしょうか。
今回は、この2つの文法の違いと使い方を、例文を交えて分かりやすく解説します。これをマスターすれば、あなたのスペイン語は中級レベルからさらに一歩、上級者へと近づきます。
接続法過去(Pretérito imperfecto de subjuntivo)とは?
接続法過去は、主節の動詞が過去形(点過去、線過去、現在完了など)の時に、従属節で「過去の出来事」に対する感情や願望、不確実性を表現する際に使われます。
活用形の作り方
接続法過去の活用形は、直説法点過去のellos/ellas形の語尾-ron
を取って、代わりに**-ra
, -ras
, -ra
, -ramos
, -rais
, -ran
**を付けます。
例:Hablar(話す)
直説法点過去:
ellos hablaron
接続法過去:
hablara, hablaras, hablara, habláramos, hablarais, hablaran
例:Comer(食べる)
直説法点過去:
ellos comieron
接続法過去:
comiera, comieras, comiera, comiéramos, comierais, comieran
使い方:主節が過去の感情や願望
願望:
Quería que me **llamara**.
(彼に電話してほしかった。)感情:
Me alegró que **viniera** a la fiesta.
(彼がパーティーに来てくれて嬉しかった。)不確実性:
No creía que **fueran** amigos.
(彼らが友達だとは思っていなかった。)
このように、主節の動詞が「過去のある時点での感情や願望」を表し、従属節で「その時に起きた出来事」を接続法過去で表現します。
接続法過去完了(Pretérito pluscuamperfecto de subjuntivo)とは?
接続法過去完了は、主節の動詞が過去形の時に、従属節で「主節の出来事よりも前の出来事」に対する感情や不確実性を表現する際に使われます。
活用形の作り方
Haber
の接続法過去(hubiera, hubieras...)+過去分詞で構成されます。
例:Hablar(話す)
Hubiera hablado, hubieras hablado, hubiera hablado, hubiéramos hablado...
使い方:主節よりも「さらに過去」の出来事
Me habría gustado que me **hubieras dicho** la verdad antes.
(私に以前、真実を言ってくれていたらよかったのに。)
この文では、「言ってほしかった(現在の感情)」よりも、「言わなかった(過去の事実)」がさらに前の出来事であることを示しています。
Creía que **hubieran** terminado el trabajo.
(彼らが仕事を終えているだろうと(過去に)思っていた。)
「思っていた(過去の時点)」よりも、「仕事を終えていた」という出来事がさらに前のことを表します。
接続法過去と接続法過去完了の使い分け
この二つの違いは、**「時制の一致」**のルールを理解すると分かりやすくなります。
接続法過去: 主節の過去の出来事と、同時期またはその直後に起こったことに対して使います。
Quería que **comieras** más.
(もっと食べてほしかった。)「食べたかった」と「食べてほしい」という願望が同時期に発生しています。
接続法過去完了: 主節の過去の出来事よりも、さらに前の過去に起こったことに対して使います。
Habría preferido que **hubieras venido** antes.
(もっと早く来てくれたらよかったのに。)「よかったのに(現在の感情)」よりも、「来た」という行為がさらに前の出来事であることを示しています。
まとめ
接続法過去は、主節の出来事と同時期の過去の事柄に。
接続法過去完了は、主節の出来事よりもさらに前の過去の事柄に。
この違いを意識して例文を読み解けば、接続法の使い分けが格段に理解しやすくなります。まずは簡単な例文から、この二つの違いを意識して練習してみましょう。