スペイン語の完了形を使いこなす!複合完了と過去完了の違いと使い分け

スペイン語の完了形は、過去の出来事を表現する上で非常に重要な文法です。中でも、**複合完了(Pretérito perfecto compuesto)過去完了(Pretérito pluscuamperfecto)**は、どちらも過去の出来事を表すため、混同しやすいかもしれません。

今回は、この二つの完了形が持つ時間的なニュアンスの違いと、それぞれの使い方を例文付きで分かりやすく解説します。

完了形ってなんだろう?

完了形は、**「haber動詞の活用形」+「過去分詞」**で構成されます。日本語に訳すと「~したことがある」「~してしまった」といった意味になります。

この「haber」の活用形が変わることで、時制のニュアンスが変わります。

完了形の種類構成意味のニュアンス
複合完了haber(現在形)+過去分詞現在につながる過去の出来事
過去完了haber(線過去)+過去分詞過去のある時点よりも前の出来事

1. 複合完了(Pretérito perfecto compuesto)

複合完了は、現在と関連のある過去の出来事を表現する際に使います。この文法は、特にスペインでよく使われます。

構成と活用

  • haberの現在形: he, has, ha, hemos, habéis, han

  • 過去分詞: 規則的な動詞は-ado(-ar動詞)または-ido(-er/-ir動詞)

使い方と例文

  • 「今」につながる過去: 「今日」「今週」「今月」など、現在進行中の時間枠の中で起こった出来事について話す時に使います。

    • Hoy **he comido** sushi. (今日、寿司を食べました。)

      • 「今日」という時間枠はまだ終わっていないため、複合完了を使います。

  • 経験: 今までに経験したことについて話す時に使います。

    • ¿Alguna vez **has ido** a Japón? (日本に行ったことはありますか?)

      • 人生という、現在につながる経験について尋ねています。

  • 結果が現在に影響している過去: 過去の出来事の結果が、今も続いている場合に。

    • **He perdido** las llaves. (鍵をなくしてしまいました。)

      • 鍵をなくしたという過去の事実が、今も鍵がないという状態につながっています。

2. 過去完了(Pretérito pluscuamperfecto)

過去完了は、過去のある時点よりも前に起こった出来事を表現する際に使います。日本語の「~していた」に近いニュアンスです。

構成と活用

  • haberの線過去形: había, habías, había, habíamos, habíais, habían

  • 過去分詞: 規則的な動詞は-ado(-ar動詞)または-ido(-er/-ir動詞)

使い方と例文

  • 過去のある時点よりも前の出来事: 「~した時には、すでに~していた」といった文で使われます。

    • Cuando llegué, ellos ya **habían cenado**. (私が着いた時、彼らはすでに夕食を済ませていた。)

      • 「着いた」という過去の時点よりも、「夕食を済ませた」という出来事がさらに前であることを示しています。

  • 過去の経験: 過去のある時点から見て、それまでの経験を振り返る場合に。

    • Cuando era niño, yo ya **había visitado** muchos países. (子供だった時、私はすでに多くの国を訪れていた。)

      • 「子供だった時」という過去の時点から見て、「訪れた」という行為がそれよりも前に完了していたことを示しています。

まとめ

完了形違い
複合完了現在につながる過去Esta semana **he visto** una película. (今週、映画を観た。)
過去完了過去のある時点よりも前の過去Cuando la llamé, ya **había visto** la película. (私が彼女に電話した時、彼女はすでにその映画を観ていた。)

これらの違いを理解することで、より正確にスペイン語の時制を使い分けることができます。まずは、現在につながる「複合完了」から、そして慣れてきたら「過去完了」の使い分けに挑戦してみましょう。