【リーディング対策】長文読解で時間が足りない!スペイン語を「日本語に訳さず」読むための速読トレーニング
はじめに:なぜ、試験時間はいつも足りなくなるのか?
DELEやスペイン語の試験で、多くの受験者を苦しめるのが**「圧倒的な時間不足」**です。
「あと10分あれば解けたのに……」
そう悔しい思いをしたことはありませんか?
長文読解(リーディング)が終わらない原因。それは、あなたの読むスピードが遅いからではありません。
「読み方」が間違っているからです。
日本の学校英語教育で染み付いた「ある癖」が、スペイン語の読解スピードを劇的に落としています。
今回は、その悪い癖を断ち切り、スペイン語をスペイン語の語順のまま、**ネイティブと同じ感覚で理解するための「速読トレーニング」**をご紹介します。
1. 諸悪の根源!「返り読み」を今すぐやめる
あなたが文章を読むときの「目の動き」を思い出してください。
文の後ろに行っては前に戻り、日本語の語順に直して訳していませんか?
これを**「返り読み」と言います。
日本語は動詞が最後に来る言語ですが、スペイン語は動詞が主語のすぐ後に来ます。いちいち日本語の順番に並べ替えて解釈していては、単純計算で2倍以上の時間**がかかります。さらに、視線が行ったり来たりすることで脳が疲弊し、集中力も切れてしまいます。
【対策:指差し直進法】
矯正方法はシンプルです。
文章を読むとき、指やペンで文字をなぞりながら、一定のスピードで右に動かしてください。
そして、絶対に視線を左(過去)に戻さないこと。
最初は内容が3割しかわからなくても構いません。「戻ったら負け」というルールで、強制的に前に進む癖を脳に覚え込ませます。
2. 「日本語」というフィルターを外す
「Manzana」という単語を見たとき、あなたの脳内で何が起きていますか?
**Manzana(文字)**を見る
**「リンゴ」(日本語)**に変換する
**🍎(赤い果物のイメージ)**を思い浮かべる
この「2」の工程が、タイムロスの原因です。
速読ができる人は、「Manzana」を見た瞬間に「🍎」が浮かびます。日本語を介在させないのです。
【対策:イメージ直結トレーニング】
難しい単語でやる必要はありません。
簡単な文章を読みながら、頭の中で**「映画のシーン」を再生するようにイメージしてください。
「El gato duerme en el sofá(猫がソファで寝ている)」という文なら、文字を訳すのではなく、フワフワの猫がソファに丸まっている映像を脳内にポンと出す。
この「映像化」の回路**が太くなればなるほど、読むスピードは加速します。
3. スラッシュ・リーディングで「塊(かたまり)」を捉える
一単語ずつ「点」で追っていると、意味が掴めず、スピードも上がりません。
スペイン語は、意味のまとまり(チャンク)ごとに区切って読むのが鉄則です。これを**「スラッシュ・リーディング」**と呼びます。
区切るポイントは主に3つです。
前置詞の前(a, de, en, con など)
関係詞の前(que, donde, quien など)
接続詞の前(y, pero, porque など)
(例)
Viví / en Madrid / con mis amigos / cuando era estudiante.
(住んでいた / マドリードに / 友達と / 学生だった時)
このように、前置詞や接続詞を「ブレス(息継ぎ)」の合図として捉え、塊ごとに情報を処理していくと、長い文章も驚くほどシンプルに見えてきます。
4. 最強のトレーニングは「簡単な本」の多読
「速読のコツはわかったけれど、練習はどうすればいい?」
おすすめは、**「自分のレベルよりも少し簡単な本」を大量に読むこと(多読)**です。
難しい新聞記事や論文を1つ読むよりも、辞書なしでスラスラ読めるレベルの物語を10冊読むほうが、速読力はつきます。なぜなら、「日本語に訳さずに理解できた!」という成功体験を脳に積み重ねることができるからです。
おすすめの教材:Graded Readers(段階別読み物)
スペイン語学習者向けに、使用する単語数を制限して書かれた本があります。
「A1レベル(初級)」「B1レベル(中級)」など細かく分かれているので、自分のレベルに合わせて選べます。
コスパ最強:Kindle Unlimitedなどの読み放題サービス
「多読をしたいけれど、洋書は高いし、手に入れるのが大変……」
そんな方には、**電子書籍の読み放題サービス(Kindle Unlimitedなど)**が最強の味方です。
メリット1: スペイン語の児童書や学習者向けの短編集が大量にある。
メリット2: わからない単語を長押しすれば、その場で辞書機能が使える(辞書を引く時間を短縮!)。
メリット3: 何冊読んでも定額なので、「つまらない」と思ったらすぐに次の本にいける。
「合わない本はすぐやめる」のも多読の重要なテクニックです。自分のお気に入りの一冊を見つけて、スペイン語の世界にどっぷり浸かってみてください。
まとめ:量は質に転化する
リーディングスピードは、一朝一夕には上がりません。しかし、正しい方法(返り読み禁止・イメージ化)で、大量のスペイン語に触れれば、必ず結果はついてきます。
視線は一方通行。絶対に戻らない。
日本語に訳さず、映像を思い浮かべる。
前置詞の前で区切って「塊」で読む。
簡単な本を、電子書籍などで浴びるように読む。
試験本番、終了のベルが鳴る前にペンを置き、「ふぅ、余裕だったな」と涼しい顔で見直しをする。そんな未来を目指して、まずは今日、簡単なスペイン語の物語を1ページ読んでみませんか?