スペイン語の間接話法と時制の一致ルールを完全整理!
スペイン語学習を進めていると、「彼が言ったことを誰かに伝える」ときに 間接話法(Estilo indirecto) が必要になります。しかし、日本語とは違い、動詞の時制を一致させるルールがあるため、初心者は混乱しがちです。
この記事では、日本語母語話者でも迷わないように、間接話法の使い方と時制の一致ルールを整理し、具体例つきで解説します。
1. 間接話法とは?
間接話法とは、誰かの発言を直接引用せず、自分の言葉で伝える表現です。
例:
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直接話法:Juan dijo: “Vivo en Madrid.”
(フアンは「マドリードに住んでいます」と言った) -
間接話法:Juan dijo que vivía en Madrid.
(フアンはマドリードに住んでいると言った)
ポイント:直接話法では引用符を使うのに対し、間接話法では「que」を使って文章に組み込みます。
2. 基本の作り方
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主語 + decir / preguntar / afirmar などの動詞
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例:Ella dijo, él preguntó, Juan afirmó
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que を使って内容を導入
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例:Ella dijo que estaba cansada.
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動詞の時制を一致させる(詳しくは次の章で解説)
3. 時制の一致ルール(Concordancia de tiempos)
基本ルール
間接話法では、主節の動詞が 過去形(dijo, preguntó, afirmó) の場合、従属節の時制も 1段階過去にずらす 必要があります。
| 直接話法 | 間接話法 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| presente: vivo | imperfecto: vivía | 住んでいる → 住んでいた(伝聞) |
| presente: como | imperfecto: comía | 食べる → 食べていた |
| perfecto: he comido | pluscuamperfecto: había comido | 食べた → 食べていた |
| futuro: iré | condicional: iría | 行く → 行くつもりだった |
ポイント:主節が過去形なら、従属節の時制を1段階過去にずらすのが鉄則。
例文で理解する
例1:現在形 → 過去形
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直接話法:María dice: “Estudio español.”
(マリアは「スペイン語を勉強している」と言う) -
間接話法:María dijo que estudiaba español.
(マリアはスペイン語を勉強していると言った)
例2:未来形 → 条件法
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直接話法:Juan dice: “Iré al cine mañana.”
(明日映画に行く) -
間接話法:Juan dijo que iría al cine al día siguiente.
(明日映画に行くと言った → 「al día siguiente」で時間表現も調整)
例3:現在完了 → 過去完了
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直接話法:Ella dice: “He terminado el trabajo.”
(仕事を終えた) -
間接話法:Ella dijo que había terminado el trabajo.
(仕事を終えたと言った)
4. 時制の一致を守らなくてもよい例外
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主節が現在形の場合
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Juan dice que está cansado.
(フアンは疲れていると言う)
→ 従属節の時制は変えなくてもOK。
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普遍的な事実や変わらない真実
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El profesor dijo que el sol es una estrella.
(先生は太陽は星だと言った)
→ 「太陽は常に星である」ため、時制は変えない。
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5. 間接話法での時間表現の調整
間接話法にする際、昨日・今日・明日・今 などの時間表現も変える必要があります。
| 直接話法 | 間接話法 |
|---|---|
| hoy(今日) | ese día / aquel día |
| mañana(明日) | al día siguiente |
| ayer(昨日) | el día anterior |
| ahora(今) | en ese momento |
例:
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Directo: “Lo haré mañana.”
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Indirecto: Dijo que lo haría al día siguiente.
ポイント:時制と一緒に時間表現も調整するのが自然な間接話法のコツです。
6. 日本語ネイティブが陥りやすい落とし穴
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時制をそのままにする
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× Juan dijo que estudia español.
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○ Juan dijo que estudiaba español.
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時間表現をそのままにする
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× Juan dijo que lo haría mañana.
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○ Juan dijo que lo haría al día siguiente.
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接続法との混同
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間接話法では、内容が確実であれば直説法、願望・不確実であれば接続法を使う。
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例:Juan dijo que venga temprano(接続法) → 「来てほしい」と願望の場合。
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7. 間接話法を効率的にマスターするコツ
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時制表を作って確認する
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現在形→過去形、未来形→条件法、完了形→過去完了などを一覧にする。
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声に出して練習
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「María dijo que…」「Juan dijo que…」で繰り返すと定着しやすい。
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日常会話で伝言練習
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「友達が○○と言っていた」と日本語で考え、スペイン語で言い換える練習。
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時間表現も意識して変える
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hoy→ese día、mañana→al día siguiente などをセットで覚える。
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まとめ
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間接話法は誰かの発言を伝えるときに使う表現
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主節が過去形の場合は従属節の時制を1段階過去にずらす
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時間表現も一緒に調整
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日本語ネイティブは時制・接続法・時間表現の違いを意識することが上達の鍵
これらのルールを理解し、例文を声に出して練習すれば、自然で正しい間接話法を身につけられます。
日常会話や文章で、「誰が何を言ったか」を正確に伝えられるようになると、スペイン語力が一段とアップします!