【DELE口頭試験】沈黙は禁物!面接で言葉に詰まった時に役立つ魔法の「つなぎ言葉(Muletillas)」徹底解説
はじめに:試験官が最も嫌うのは「間違い」よりも「沈黙」
DELE(スペイン語検定)の口頭試験(面接)。
試験官の質問に対して、頭が真っ白になってしまい、気まずい沈黙が流れる……。
受験者にとって、これほど怖い瞬間はありませんよね。
実は、DELEの採点基準において、文法の間違い以上にマイナス評価になりやすいのが**「長い沈黙」**です。試験官はあなたのコミュニケーション能力を見ているので、黙り込んでしまうと「会話ができない」と判断せざるを得ないからです。
「でも、答えがすぐに浮かばない時はどうすればいいの?」
そんな時にあなたを救ってくれるのが、**「つなぎ言葉(Muletillas)」**です。
日本語で言う「えっと…」「そうですね…」「つまり…」にあたる言葉です。
今回は、DELEの面接官に「お、この受験者は会話慣れしているな」と思わせ、かつ考える時間を稼ぐための必須フレーズを厳選してご紹介します。
1. 「えっと…」思考時間を稼ぐ魔法のクッション
質問されてすぐに答えが出ない時、無言で天井を見上げてはいけません。
「今、考えていますよ」という合図を出すために、まずはこの言葉を口に出しましょう。
A ver...(ア・ベール)
意味:「ええっと…」「どれどれ…」
解説:最もよく使われる便利な言葉です。「Let's see」に近いです。困ったらまずは「A ver...」と言いながら思考を整理しましょう。
Bueno...(ブエノ)
意味:「そうですね…」「ええと…」
解説:文頭に置くことで、一呼吸置くことができます。
Pues...(プエス)
意味:「うーん…」「えっと…」
解説:言いよどむ時に使います。ただし、連発しすぎると自信がなさそうに聞こえるので注意が必要です。
2. 「つまり…」話の方向修正や言い換えをする時
話している途中で文法を間違えたり、もっと適切な単語を思いついたりした時に使います。これを自然に使えると、B1・B2レベル以上として高い評価を得やすくなります。
O sea...(オ・セア)
意味:「つまり…」「言い換えると…」
解説:ネイティブも多用します。説明がうまくいかない時に、仕切り直すのに最適です。
Es decir...(エス・デシール)
意味:「すなわち…」「つまり…」
解説:「O sea」よりも少しフォーマルで知的な響きがあります。
Mejor dicho...(メホール・ディチョ)
意味:「と言うよりむしろ…」「正確に言うと…」
解説:自分の発言を訂正したい時に使います。
3. 「私の考えでは…」自分の意見を主張する枕詞
DELE(特にBレベル以上)では、事実だけでなく「自分の意見」を求められます。いきなり意見を言うのではなく、枕詞を置くことで、心の準備をする時間を作れます。
Desde mi punto de vista...(デスデ・ミ・プント・デ・ビスタ)
意味:「私の観点からすると…」
解説:試験対策として必ず覚えておきたい決まり文句です。
A mi modo de ver...(ア・ミ・モド・デ・ベール)
意味:「私の見方では…」
解説:これも非常によく使われます。
Lo que quiero decir es que...(ロ・ケ・キエロ・デシール・エス・ケ)
意味:「私が言いたいことは〜ということです」
解説:少し長いフレーズなので、その分だけ考える時間を長く稼げます。
4. どうしても聞き取れなかった時の「救済フレーズ」
質問がわからなかった時、適当に答えるのが一番危険です。
わからなければ、堂々と聞き返してOKです。ただし、「¿Qué?(なに?)」は失礼になるので避けましょう。
¿Podría repetir la pregunta, por favor?(ポドリア・レペティール・ラ・プレグンタ・ポル・ファボール)
意味:「質問をもう一度繰り返していただけますか?」
解説:丁寧な聞き返し方です。これを言ったからといって減点にはなりません。
Perdón, no le he entendido bien.(ペルドン、ノ・レ・エ・エンテンディド・ビエン)
意味:「すみません、よく理解できませんでした」
解説:正直に伝えて、もう一度説明してもらう姿勢はコミュニケーションにおいて重要です。
まとめ:つなぎ言葉は「会話の潤滑油」
「つなぎ言葉を使うと、語彙力が無いと思われるのでは?」と心配する方がいますが、逆です。
ネイティブスピーカーも、普段の会話でこれらを頻繁に使っています。むしろ、つなぎ言葉を自然に挟むことで、会話のリズムが生まれ、流暢さ(Fluidez)のアピールにつながります。
DELEの口頭試験は「テスト」ですが、形式は「対話」です。
沈黙という放送事故を起こす前に、「A ver...(えっとですね)」と笑顔で切り出し、会話のボールを落とさないように繋いでいきましょう。
これらのフレーズは、読むだけでは口から出てきません。
オンラインレッスンなどでネイティブ講師を相手に、**「今日は『O sea』を3回使うぞ」**と目標を立てて、実際の会話の中で使う練習をしてみてください。
口に馴染ませてしまえば、本番の緊張の中でも無意識に出てくる「強い味方」になりますよ。