金の加工方法と強度の関係|ジュエリー・投資用ゴールドの基礎知識
「金は柔らかい金属」と聞いたことがある方は多いと思います。実際に、金は展延性が非常に高く、1グラムで数千メートルの糸に伸ばせるほど加工しやすい金属です。しかし、その柔らかさゆえに、加工方法や合金化の仕方によって強度や用途が大きく変わるのが特徴です。この記事では、金の加工方法と強度の関係を分かりやすく解説します。
1. 純金(24金)の特徴と強度
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純度99.9%以上の金を指す。
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非常に柔らかいため、衝撃や摩耗に弱い。
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加工性は高いが、傷や変形が起こりやすく、日常的に身につけるジュエリーには不向き。
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主に 資産保全用の延べ棒やコイン に使われる。
2. 合金化による強度アップ
純金に他の金属を混ぜることで強度や色味を変化させる。これを**K18(18金)やK14(14金)**などと呼ぶ。
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**銀(Ag)や銅(Cu)**を混ぜると、硬さが増し、日常使用に耐えられる強度になる。
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混ぜる金属の割合で色味が変わり、ホワイトゴールド・ピンクゴールド・イエローゴールドといったバリエーションが生まれる。
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強度と美しさのバランスが良いため、ジュエリーや腕時計、装飾品に広く利用される。
3. 加工方法と強度の関係
(1) 鋳造(キャスティング)
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溶かした金を型に流し込んで成形する方法。
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複雑なデザインが可能だが、内部に微細な気泡ができやすく、強度はやや劣る。
(2) 圧延・鍛造
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金属を叩いたり延ばしたりして成形する方法。
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結晶構造が締まり、密度が高く強度が増す。
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高級ジュエリーや結婚指輪でよく使われる。
(3) メッキ加工
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表面に金を薄くコーティングする方法。
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強度は下地の金属に依存する。金の輝きを楽しめるが、摩耗で剥がれる可能性あり。
4. 加工後の仕上げによる耐久性
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鏡面仕上げ:光沢が強いが、傷が目立ちやすい。
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マット仕上げ:落ち着いた質感で、細かい傷が目立ちにくい。
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硬化処理(一部ブランドで採用):合金に特殊な熱処理を行い、通常の18金より耐久性を高める。
5. 金の強度と用途のまとめ
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24金(純金):柔らかく、投資用に最適。
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18金(K18):強度と美しさのバランスが良く、日常使いのジュエリーに最適。
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14金以下:さらに硬く、傷つきにくいが、金の含有量が減る。
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鍛造仕上げ:最も強度が高く、耐久性重視の製品に使われる。
まとめ
金は加工方法や合金化によって、
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強度が大きく変化する金属である
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鋳造より鍛造が強度面で優れている
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24金は投資用、18金はジュエリー用に適している
という特徴があります。
金を選ぶ際には「強度を重視するのか」「純度を重視するのか」を考えることが大切です。資産運用としての延べ棒やコイン、日常的に使う結婚指輪やアクセサリーなど、目的に応じて最適な金の加工方法を選ぶと失敗がありません。