金は電気をよく通す?その特性と、意外な場所で活躍する理由を解説
「金って、高価な宝飾品だけじゃないって本当?」
「なぜパソコンやスマートフォンの部品に金が使われているんだろう?」
そう思って、金の特性について疑問を感じていませんか?金は、その美しい輝きから宝飾品として有名ですが、実は私たちの生活に欠かせない、重要な工業材料としても活躍しています。
この記事では、金が電気をよく通すという特性を、科学的な視点から分かりやすく解説します。そして、私たちの身の回りでどのように応用されているのか、その理由もご紹介します。
1. 金は電気をよく通す?その答えは「イエス」
結論から言うと、金は電気を非常によく通す金属です。
電気を通しやすさ(導電性)のランキングでは、銀、銅に次いで、金は3番目に優れていると言われています。
銀:最も電気を通しやすい
銅:銀に次いで電気を通しやすい
金:銅に次いで電気を通しやすい
金は、銀や銅に比べて導電性はわずかに劣りますが、それでも非常に優れた導体です。
2. 金が工業分野で重宝される「3つの特性」
金が銀や銅よりも、特定の工業分野で重宝されるのには、導電性以外の優れた特性があるからです。
1. 酸化しにくい(錆びにくい)
金は、酸素と結びつきにくい「安定した金属」です。そのため、酸化(錆び)がほとんど起きません。
なぜ重要?:銅や銀は、空気中の酸素と結びついて酸化し、表面に皮膜を作ります。この皮膜は電気を通しにくくするため、精密な電子部品には不向きです。しかし、金は酸化しないため、長期間にわたって安定した電気の流れを保つことができます。
2. 化学的に安定している
金は、ほとんどの酸やアルカリ、塩分などと反応しない「耐腐食性」に優れています。
なぜ重要?:電子機器は、湿気や化学物質にさらされる可能性があります。金は腐食しないため、過酷な環境下でも安定した性能を維持できます。
3. 展性・延性に優れている
金は、非常に薄く広げたり、細く伸ばしたりできる「展性・延性」に優れています。
なぜ重要?:これにより、わずかな量の金でも、非常に広い表面に薄くメッキすることができます。高価な金ですが、効率的に使うことができるのです。
3. 金の特性が活かされる「意外な応用例」
これらの優れた特性から、金は私たちの身の回りの様々な場所で活躍しています。
パソコンやスマートフォン:内部のCPUやコネクタ、基板の接点部分に金が使われています。これは、データの送受信を安定させるためです。
宇宙航空機器:ロケットや人工衛星の精密な電子機器にも、金メッキが施されています。
医療機器:体内に入れるペースメーカーや、手術用の器具にも金が使われています。
まとめ:金は、未来を支える重要な素材
金は、その美しい輝きだけでなく、優れた導電性や耐腐食性を持つ、非常に重要な工業素材です。
もし、あなたが持っているスマートフォンやパソコンに、金が使われていると知ったら、見方が少し変わるかもしれません。金は、私たちの豊かな未来を支える、大切な金属なのです。