金は磁石につかない?磁気と金の関係をわかりやすく解説
金(ゴールド)は昔から「変わらない価値を持つ金属」として重宝され、資産運用・ジュエリー・工業分野など幅広く利用されています。そんな金についてよくある疑問が「金は磁石にくっつくのか?」というものです。
磁石と金の関係を正しく理解しておくことは、偽物を見分けるポイントや投資リスクの回避にもつながります。ここでは 金と磁気の関係 を科学的にわかりやすく解説しつつ、資産運用やジュエリー購入時に役立つ知識をご紹介します。
◆ 金は磁石にくっつかないのか?
結論からいうと、純金(24金)は磁石につきません。
これは金の原子構造に関係しています。
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金は「反磁性体」に分類され、外部の磁場を受けても磁石に引き寄せられることはありません。
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鉄やニッケル、コバルトのような「強磁性体」とは性質がまったく異なります。
そのため、磁石を近づけても純金が動くことはなく、「金は磁石につかない」という認識は基本的に正しいといえます。
◆ なぜ金は磁石に反応しないのか?
金の電子構造がポイントです。
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金の原子は外殻電子が安定しており、電子スピンの働きで磁場に引かれることがありません。
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そのため「磁化しない金属」として、電気的・光学的な安定性を持ちます。
この特性が、金が腐食や酸化に強い理由にもつながっています。
◆ 合金やメッキ製品は磁石に反応することも
ただし注意が必要なのは、18金や14金などの合金や金メッキ製品。
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強度を高めるために混ぜられる銅・銀・ニッケルなどが磁性を持つ場合、磁石にわずかに反応することがあります。
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特に安価な金メッキ品では、下地に鉄やニッケルが使われていることがあり、磁石につくケースがあります。
➡ つまり「磁石についた=偽物」とは限らず、逆に「磁石につかない=本物」とも限らないのです。
◆ 磁石を使った金の真贋チェックは有効か?
金の純度を調べる簡易テストとして「磁石を近づけてみる」方法があります。
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純金であれば反応しない
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強く引き寄せられる場合は、鉄やニッケルなどの金属が混ざっている可能性が高い
ただし、正確に判定するには
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比重測定
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刻印(K24, K18など)確認
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貴金属鑑定士や専門店での分析
といった方法を組み合わせることが大切です。
◆ 金と磁気を利用した応用分野
磁石につかない特性を持つ金は、実は工業分野でも大活躍しています。
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電子機器のコネクタや半導体 → 磁気に影響されず安定した導電性を持つ
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医療機器の部品 → 磁場の影響を受けないため安全性が高い
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宇宙・航空産業 → 酸化せず磁気を帯びない特性が重宝される
資産価値だけでなく、工業的な実用性でも金は欠かせない金属です。
◆ まとめ
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純金は磁石につかない → 反磁性体だから
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合金やメッキは反応することもある
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磁石テストだけで本物かどうかは判断できない
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金の磁気に反応しない性質は工業利用にも活かされている
金と磁気の関係を理解しておけば、ジュエリー購入や投資での失敗を防ぐだけでなく、資産としての安心感も高められます。