実はデリケート?金の「柔らかさ」がアクセサリーに与える影響
美しい輝きを放つ金のアクセサリー。私たちの日常に欠かせないアイテムですが、実は金には「柔らかい」というデリケートな一面があることをご存知でしょうか?
今回は、その金の柔らかさがアクセサリーにどんな影響を与えるのか、そして賢くジュエリーと付き合っていくためのポイントを、分かりやすく解説していきますね。
金が柔らかいってどういうこと?
金は「展性」と「延性」に非常に優れた金属です。これは、叩けば薄く広がり(展性)、引っ張れば細く伸びる(延性)という性質のこと。このおかげで、職人さんが細かな細工を施したり、美しいジュエリーに加工したりすることができます。
しかし、この優れた加工性の裏返しとして、純粋な金(純金、K24)はとても柔らかく、他の金属に比べて傷つきやすいという弱点があります。純金は、爪で軽くこすっただけでも跡がつくほどデリケートなのです。
このため、純金は資産としてのインゴット(金の延べ棒)や、観賞用の金箔に使われることが多く、日常的に身につけるアクセサリーにはほとんど使われません。
柔らかさが引き起こす、アクセサリーのトラブル
では、金の柔らかさがアクセサリーに具体的にどんな影響を与えるのでしょうか?
傷がつきやすい
日常生活で何気なく手を動かすだけでも、リングやブレスレットは物に当たってしまいます。また、ネックレスは服と擦れたり、他のアクセサリーとぶつかったりすることで、表面に細かな傷がついてしまいがちです。
特に、K18やK14といった金合金であっても、全く傷がつかないわけではありません。ダイヤモンドやサファイアなどの硬い宝石とぶつかると、金の部分に傷がつくこともあります。
変形しやすい
力を加えると、リングが歪んだり、チェーンが切れたりするリスクが高まります。
特に、細いチェーンのネックレスや、華奢なデザインのリングは注意が必要です。就寝時やスポーツ時には外すなど、少しの工夫でトラブルを回避できます。
変色・腐食のリスク
純金はサビや変色に非常に強いですが、アクセサリーとして使われる金合金は、混ぜられている「割金(わりがね)」が汗や皮脂、温泉などに反応して変色することがあります。
特に銅を多く含むピンクゴールドは、空気に触れることで少しずつ色が濃くなることがあります。
柔らかさを補う!賢い金合金の選び方
アクセサリーの金が柔らかいからといって、心配しすぎる必要はありません。ほとんどの金製アクセサリーは、純金の柔らかさを補うために他の金属を混ぜた「金合金」で作られています。
K18(18金):金の含有率が75%。純金に比べて硬く、傷つきにくいので、日常使いのジュエリーとして最も人気があります。
K14(14金):金の含有率が58.5%。K18よりもさらに硬度が高く、耐久性に優れています。
K10(10金):金の含有率が41.7%。金合金の中でも特に硬く、傷や変形に強いのが特徴です。
普段使いの頻度が高いリングやブレスレットは、K14やK10を選ぶことで、安心して長く使うことができます。また、ネックレスのチェーンは、デザインによって強度が異なります。太さや編み方などをチェックして、耐久性を考慮して選ぶのも良いでしょう。
アクセサリーを長く愛用するためのヒント
金のデリケートな性質を理解することで、お気に入りのアクセサリーをより長く、美しく保つことができます。
こまめなお手入れ: 着用後は、汗や皮脂を柔らかい布で優しく拭き取りましょう。これにより、変色や汚れを防ぐことができます。
適切な保管: 他のアクセサリーと絡まったり、ぶつかったりしないように、一つずつ小袋に入れたり、仕切りのあるジュエリーケースに保管するのがおすすめです。
状況に応じた使い分け: 就寝時や入浴時、スポーツをするとき、重い荷物を持つときなどは、アクセサリーを外す習慣をつけましょう。